1からの受験勉強におすすめの参考書の使い方① 【数学】やさしい高校数学 数1・A,2・B,3
はじめに
医学部再受験を本格的に始めて、5ヶ月が過ぎました。
やっと、1浪生と遜色ないパフォーマンスができる場面が増えてきたかなと思います。
少し勉強のことを見渡せるようになって
「この参考書を受験勉強のはじめにやっていて良かった」
「予備校に通う前にここまでやっておけば良かった」と思った参考書を、今回からいくつか紹介していきたいと思います。
第1回の今回紹介する本は、「やさしい高校数学」シリーズです。
数1・A、数2・B、数3の3冊があります。
【ちなみに】「やさしくない」ほうのやさ数
今回紹介するのは、受験の世界で有名な「やさ数」こと「やさしい理系数学」ではありません。
こちらのやさ数は、「全然やさしくない」ことでも有名です。
もともと文系だった数学おちこぼれの私が、再受験の受験勉強開始時から、こんなに難しい本を解きこなせるはずがありません。
「とりあえず、高校数学の範囲をざっと一周したい」
「でも、ブランクがあるから、とにかくやさしい問題集で一周したい」
「問題の質より、解説のやさしさを重視したい」
と考えて、書店をうろうろしていたところ、こちらの参考書が見つかりました。
これが、ほんとうに「やさしい」やさ数
「やさしい高校数学 数1・A」
著者:きさらぎ ひろし
ページ数:612ページ+例題だけを掲載した別冊(小冊子)
価格:1,836円
単元:
0章 中学までのおさらいと数学のキホン(テーマ数18、例題数7)
【数学1】
1章 数と式(テーマ数29、例題数39)
2章 集合と論理(テーマ数10、例題数10)
3章 2次関数(テーマ数21、例題数30)
4章 三角比と図形の計量(テーマ数17、例題数17)
5章 データの処理(テーマ数7、例題数8)
【数学A】
6章 場合の数と集合(テーマ数29、例題数33)
7章 整数の性質(テーマ数11、例題数17)
8章 図形の性質(テーマ数17、例題数20)
「やさしい高校数学 数2・B」
著者:きさらぎ ひろし
ページ数:936ページ+例題だけを掲載した別冊(小冊子)
価格:2,268円
単元:【数学2】
1章 数と証明(テーマ数21、例題数25)
2章 複素数と方程式(テーマ数18、例題数24)
3章 図形と方程式(テーマ数30、例題数37)
4章 三角関数(テーマ数19、例題数21)
5章 指数・対数(テーマ数28、例題数38)
6章 微分(テーマ数21、例題数26)
7章 積分(テーマ数19、例題数30)
【数学B】
8章 数列(テーマ数37、例題数44)
9章 ベクトル(テーマ数32、例題数40)
10章 確率分布と統計的な推測(テーマ数13、例題数13)
「やさしい高校数学 数3」
著者:きさらぎ ひろし
ページ数:721ページ+例題だけを掲載した別冊(小冊子)
価格:2,484円
単元:
【数学3】
1章 平面上の曲線(テーマ数19、例題数32)
2章 複素数平面(テーマ数20、例題数29)
3章 関数(テーマ数10、例題数13)
4章 極限(テーマ数29、例題数39)
5章 微分(テーマ数10、例題数18)
6章 微分法の応用(テーマ数25、例題数32)
7章 積分(テーマ数21、例題数35)
8章 積分の応用(テーマ数17、例題数23)
値段は「やさしくない」ですが、網羅型の数学参考書の相場としては、妥当だと思います。
ページ数はかなりありますが
・スペースに余裕を持って記述されている
・問題が教科書の例題レベル(よりやさしいものもある)
・問題数が少なく解説中心である
・解説が会話調(先生1人と生徒2人の会話)である
ことなどにより、この参考書を1周してしまうのには全然時間はかかりません。
私の場合、所要時間は1・Aで2週間、2・Bで3週間、3で17日(かなりゆとりをもったペースで)でした。
なぜオススメなのか?
「やさしい高校数学」シリーズが再受験スタート時にオススメな理由は3つあります。
①高校数学の内容や流れを、大まかに把握できる
②自分が今どのくらい解けるのか(どのくらい覚えているのか)がざっくり把握できる
③この分量や内容に耐えられない人は、再受験を諦められる
①高校数学の流れを、大まかに把握できる
受験勉強をすすめていくうえで、1、A、2、B、3のどれにどの単元が入っているかを知ることは重要です。
さらに、各単元がどのような問題から始まり、最終的にどのような問題へと発展していくのかということも知ることができます。
②自分が今どのくらい解けるのか(どのくらい覚えているのか)がざっくり把握できる
ここで紹介しているのは新課程対応のものですので、ひととおり解いてしまえば、新課程になって登場した問題(自分が見慣れないなとおもう単元)がどれなのかも分かると思います。
また、受験をする場合、センター試験では1・Aと2・Bを使い、二次試験では3を中心に全範囲の知識をフル活用します。
もし「1・Aは結構できるけど、2・Bは全然わからない」などというように、分野ごとに実力に差があるのであれば、次の参考書を選ぶときに各分野の出来に合わせることができます。
らくらく1周できたのであれば、青チャートなどの網羅型に移ってよいと思います。
③この分量や内容に耐えられない人は、再受験を諦める
これくらいで「多すぎる」と言っていては、理科2科目や英語など他の科目を加えたときにパンクしてしまいます。
自分には無理だと判断して、潔く諦めることは悪いことではないと思います。
むしろ「やさしい高校数学が難しかっただけだ」と開き直って、他の問題集へ進んでいってしまうほうが恐ろしいです。
やさしい高校数学は、高校数学の参考書のなかでも非常に難易度が低いです。
これが全然解けないということは、それだけ入試問題が解けるようになるまでの道のりが長く険しいということになるという事実は、しっかり受け止めなければいけません。
使い方
①はじめから順番に解いていく。
②例題はちゃんと解き、解説も読む。わからないところには線を引く。
全部分からなくても、わからないところは飛ばして最後までやりとげる。
③結果によって、次の指針を立てる
(あ)1・Aも2・Bも3も全然分からなかった方
やさしい中学数学を解いてみましょう
その上で
(A)やさしい中学数学でこけた
医学部再受験はかなり厳しいところからのスタートということになります。
高校数学は、中学数学がわかっていないとついていけません。
次の参考書は、中学数学の参考書にしましょう。
(B)やさしい中学数学は大丈夫だった
高校数学の内容が未習、あるいはほとんど思い出せない状態だと思います。
以下のどちらかへ進むことをおすすめします。
・高校の教科書(新課程)を買って来て例題を解き進めていく
・白チャートの数学1・Aから取り組む
また、独学だけで数学を医学部受験レベルにもっていくのは難しいです。
予備校や家庭教師の活用も視野に入れるべきだと思います。
(い)1・Aだけは大丈夫、あるいは1・Aと2・Bは大丈夫(つまり数3ができない)な方
大丈夫だった分野は、標準的な問題集へ進んでよいと思います。
例:数学基礎問題精講、黄チャート、青チャートなど
私は数学基礎問題精講にすすみました。
数学3は、独学が難しいです。
スタディサプリだけでのりきることも難しいと思います。
身近に数学を教えてくれる人がいないのであれば、予備校に頼るのが近道だと思います。
(う)3冊ともすいすいだった方
このような方は、ご自分で数学の勉強をしていける方だと思います。
志望校の難易度にあわせた問題集選び(新課程対応が望ましい。旧課程の参考書を使うときは気をつけてください)を行えば大丈夫だと思います。
まとめ
・高校数学の内容と自分の実力を把握するのには「やさしい高校数学」がおすすめ
・出来によって、今後の方針が変わってくる
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