1からの受験勉強におすすめの参考書③ 【化学】宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学、無機化学、有機化学)

 

はじめに

今回紹介するのは、「宇宙一わかりやすい高校化学」シリーズです。

・理論化学

無機化学

有機化学

の3冊構成ですが、どれか1冊だけをやったとしても、とてもためになります。

 

 

【改訂版】宇宙一わかりやすい高校化学 理論化学

著者:船登 惟希

ページ数:本体 400ページ、別冊問題集118ページ

単元:

1 物質の成り立ちと構造

2 原子の構成とイオン化

3 化学結合 

4 原子量と分子量・式量

5 酸と塩基

6 酸化と還元

7 電池

8 電気分解

9 化学反応と熱

10 結晶格子

11 気体

12 溶解度

13 反応速度

14 化学平衡

 

 

宇宙一わかりやすい高校化学 無機化学

著者:船登 惟希

ページ数:本体318ページ、別冊問題集43ページ

単元:

1 周期表

2 水素と希ガス

3 ハロゲン

4 16族元素(酸素・硫黄)

5 15族元素(窒素・リン)

6 14族元素(炭素・ケイ素)

7 気体の性質

8 アルカリ金属

9 アルカリ土類金属

10 両性元素

11 遷移元素

12 金属イオンの分離

 

 

宇宙一わかりやすい高校化学 有機化学

著者:船登 惟希
ページ数:本体485ページ、別冊問題集80ページ
単元:
1 有機化学の基礎
2 分子式の決定
3 炭化水素の分類と名前のつけかた
4 構造の洗い出しかた
5 炭素と水素からなる有機化合物(芳香族化合物は除く)
6 炭素と水素と酸素からなる有機化合物(芳香族化合物は除く)
7 芳香族化合物
8 高分子化合物の構造と天然高分子化合物
9 合成高分子化合物

 

 

理論化学のみ改訂版が出ています。

また、どの内容も新課程に対応しているため、安心して活用することができます。 

 

 

わかれば楽しいけれど、はじめは何から手をつけたらよいか分からないのが化学

以前に化学を勉強したことがあり、ある程度の自信があるという方でなければ、化学という科目は何から取り組めば良いのか分からない科目だと思います。

本当にはじめからという人は、ぜひ宇宙一わかりやすい高校化学から取り組むべきです。それは、この参考書に以下の3つの長所があるからです。

 

 

「宇宙一わかりやすい高校化学」が入門書としておすすめな理由

 

①イラストが多数あったり、イントロダクションが漫画になっていたりして、抵抗感が薄まる

 

この宇宙一わかりやすい高校化学シリーズでは、ハカセと助手のクマと、「化学がニガテ」という登場人物が一緒に化学を勉強していくというお話に沿って学習が進んでいきます。

理論化学以外の2冊にも言えることですが、ちょっとゆるくて和むキャラクターたちがページのすみっこにいて、楽しみながら学べます。イラストが多いからといって、内容が手薄になっているわけではなく、実験を説明するイラストや物質のイメージ理解を助けるイラストがたくさんあります。

入門書として使うわけですから、はじめからガッツリ文字だらけで、問題もたくさんあって…というような「やる気が半減する」参考書ではなく、「おもしろい読み物」的参考書のほうが良いと私は考えます。

 

②左のページが文章、右のページが図やグラフ、イラストなどというフォーマットが決まっており、見開きで1つのトピックが完結するから勉強しやすい

 

入門書として使うのに、全ページがびっしり文字ではやる気が半減するだけでなく、いちいち理解するのに時間がかかってしまいます。私は、この宇宙一シリーズに取り組むときは、1つのトピック(2-4など)を

 

1.左のページをとりあえず読む

2.右のページのイラストなどを見て、イメージで理解する

3.もう一度左のページを読む

4.別冊問題集の該当範囲に取り組んでみる

 

という流れで進めていくことにしていました。網羅型の参考書の中には、トピックごとに記述量に大きな差があったり、ページごとに区切らずにだらだらと複数のトピックを書き連ねているものもありますが、初心者がそのような参考書を使うと、どこまで勉強したらきりがよくなるのか、どこから別の話をしているのかがわからずに混乱しかねません。

また、見開きで完結するから「今日は2トピック分勉強する」などと勉強計画が立てやすいという長所もあります。

 

③あっと言う間に全範囲を終わらせられる

 

ページ数はごついですが、その約半分はイラストのページであるうえに、基本的なことに焦点をあてて解説しているため、進めるのに時間がかかりません。

とりあえず、どういう内容をこれから自分が勉強していくのかということをサッと理解するのにはうってつけです。

 

 

 

「宇宙一わかりやすい高校化学」の弱点

 

そんな宇宙一わかりやすい高校化学シリーズですが、やはり完璧ではありません。

 

 

①この1冊だけで入試に必要な知識を網羅できるわけではない

 

この参考書はあくまで入門書であり、基本的なことに重点をおいて書かれています。実際に二次試験で出題されやすい内容の中には、発展的な内容を含んでおり上級レベルの問題集を使って対策しておく必要のあるものもあります。宇宙一わかりやすいシリーズは、そのような上級レベルの問題集の役割は担っていないので、別の問題集が他に必要だということを頭に入れなければいけません。

 

 

②暗記項目のまとめがされていない

 

本当に入門中の入門を扱うのであれば、頻出の物質の化学式やイオンの価数の一覧表があってもいいのでは…とも思うのですが、そこは暗記シートや教科書、資料集に任せているようです。本当に化学式を全く知らない状態で読むと、入門書といえど止まってしまうので、分からない化学式がでてきたらその都度調べて覚えなくてはなりません。

 

 

③特に無機化学は、2色刷りだけで勉強するのに限界がある

 

私がこのシリーズの3冊の中で一番ためになったのは、それぞれの物質が、イメージに合わせてイラスト化されている無機化学なのですが、無機化学では「沈殿の色」を覚えなければなりません。

沈殿の色は、実際に写真を見て覚えた方が効果的に暗記できるので、資料集で写真を補う必要があります。

 

 

まとめ

 

・化学を1から学びなおすなら「宇宙一わかりやすい高校化学」シリーズ

・基本的な内容中心だから、理論化学→無機化学有機化学の順に、時間をかけずに終わらせたい

・この参考書だけでは完璧ではないので、終了後は別の問題集に取り組む