1からの受験勉強におすすめの参考書⑦-1 【物理】橋元の物理基礎をはじめからていねいに/橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】 力学編,電磁気編,熱・波動・原子編

 

はじめに

前回からかなり日にちが経ってしまいましたが、今回は1からの受験勉強におすすめの参考書シリーズです。

今までに数学、化学等の参考書を紹介しています。

 

sugasaijuken.hatenablog.com

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今回紹介するのは、「橋元の物理基礎をはじめからていねいに」、「橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】」シリーズです。

 

・物理基礎

・物理 力学編

・物理 電磁気編

・物理 熱・波動・原子編

の4冊を紹介します。

以下、これら4冊をまとめて指す場合には「物理基礎/物理をはじめからていねいに」と記載します。

 

 

 

橋元の物理基礎をはじめからていねいに

著者:橋元淳一郎

ページ数:320ページ

単元:

 

第1講 位置、速度、加速度

第2講 物体にはたらく力の求めかた

第3講 等加速度運動

第4講 摩擦力

第5講 放物運動

第6講 圧力と浮力

第7講 仕事とエネルギー

第8講 力学的エネルギー保存則

第9講 熱と温度

第10講 理想気体の状態変化

第11講 正弦波

第12講 弦と気柱の振動

第13講 電界と電位

第14講 直流回路

第15講 磁界と電磁誘導

第16講 交流と電磁波

 

 

橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編

著者:橋元淳一郎

ページ数:本体228ページ

単元:

第1講 力学の基本を復習する

第2講 等加速度運動を解く

第3講 仕事とエネルギー

第4講 力積と運動量

第5講 2物体の衝突

第6講 慣性力

第7講 円運動

第8講 万有引力

第9講 単振動

第10講 剛体の力学

 

 

 

橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編

著者:橋元淳一郎

ページ数:友人に貸し出し中のため、割愛

単元:割愛

 

 

 

 

橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編

著者:橋元淳一郎

ページ数:本体240ページ

第1講 理想気体の状態方程式と内部エネルギー

第2講 熱力学第1法則と気体の状態変化

第3講 定積モル比熱と定圧モル比熱

第4講 熱効率と熱力学第2法則

第5講 正弦波

第6講 ドップラー効果

第7講 光波

第8講 20世紀の物理学革命

第9講 光電効果

第10講 水素原子の構造

第11講 原子核と核反応

第12講 放射性崩壊と半減期

 

もともと旧課程時代に2冊構成で出版されていたものが、新課程になり

 

・「物理基礎」ができたためその範囲が「物理基礎をはじめからていねいに」に移行

・「原子」の単元が選択制から全員必修になったため「原子」のページを追加

 

等の変更を経て【改訂版】として新しくなりました。

これらの4冊は新課程に対応しているため、安心して活用することができます。 

 ※表紙がクリーム色の「橋元の物理をはじめからていねいに」は旧課程版ですが

まだ古本屋やフリマアプリで出回っています。

そちらは現行課程と内容が異なるため、購入は控えたほうが良いと思います。

 

高校物理は高校数学の知識、中学理科の知識を前提とした科目である

 

ネットで検索すると、「高校の5教科の中で最も独学がしづらい科目は物理である」という意見が見受けられます。

わたしもその意見には同意します。

それは、高校物理という科目においては多くのことを「前提」として扱っている、

つまり「高校物理の世界ではこれは常識、理解していて当たり前」という事柄が多いからです。

 

たとえば、物理の最初の単元である力学ではsin・cos等の三角関数の知識やベクトルの知識を用いて力を分解しなければなりません。

また、電気や磁気の単元では中学理科で習った内容(わたしはゆとり世代なので、今の中学生は中学時代の私よりも深く物理を勉強していると思います)が

 分かっている人に説明を始めるというテイストで記述されています。

 

物理は基礎的な知識の上に、より高次の内容を積み上げて理解していく科目であり

1つ下のレベルの内容が分かっていないと、そこから上が一気に理解できなくなります。

なので「自分は基礎的な理科の知識や数学の知識から積み上げないといけない」という方には物理はあまりオススメできません。

 

しかし、物理はしっかり積み上げができていれば

問われていることが本質的には同じということを理解できるため

高得点が狙いやすい科目です。

そのことに魅力を感じるし、やはり物理を受験科目として1から学びたいと考える方は

「物理基礎/物理をはじめからていねいに」から取り組むことをオススメします。

 

「物理基礎/物理をはじめからていねいに」が入門書としておすすめな理由

 

①「イメージ」についての説明に重きを置いた「読み物」である

 

入門書として使うわけですから、化学と同様にはじめからガッツリ数式だらけで、問題もたくさんあって…というような「やる気が半減する」参考書ではなく、「おもしろい読み物」的参考書のほうが良いと私は考えます。

また、物理の常識や前提がよく分かっていないうちに公式の暗記から始めてしまうと、

その式がどのような意味なのかをちゃんと理解することが出来ません。

このシリーズは高校物理を噛み砕いて平易な言葉で説明しており、読んでいるうちに自然とイメージが湧くような書き方になっているので、抵抗が少ないまま読み進めていくことができます。

 

 

②1つの現象を説明するのに複数の図を用いて説明している

 

筆者の橋元先生が「物理はイメージだ!」という考えのもと執筆されているので、

イメージの把握のための努力が随所に見られる参考書です。

物理はこの世界で実際に起こっている様々な現象についての学問なので

重力は下向きにはたらくとか慣性力は進行方向の逆向きにはたらくとか

実際にイラスト(図)にしてみたほうが分かりやすいことが多いです。

解説の文章だけでも分かりやすい本ですが、さらに多くの図やグラフを一緒に掲載しているので、より具体的にイメージして理解することができます。 

 

 

③基本的なもので易しい問題をピックアップして載せている

 

講の最後に掲載されている問題は、どれも高校物理の中ではやさしめのもので

「こんな問題が出るんだ」と理解するのにうってつけです。

問題数は少ないですが、1問1問を丁寧に文章と図を用いて解説しているので、解かずに解説を読むだけでも勉強になります。

 

 

長くなってしまったため、この参考書の使い方やこの参考書の弱点については

次の記事でご紹介します。