受験勉強におすすめのドリル② 【数学】合格る確率+場合の数

はじめに

 

小学生の頃毎日のように宿題として取り組んでいた赤と青のドリル。

あんなもの2度とやりたくねえ!と思ってしまいますが

大学受験の参考書の中にも、いわゆるドリル(当ブログでは反復して解くという側面が強い問題集をドリルと呼ぶことにします)があり、

1周して効果を感じ、またもう1周してさらに力がついたなと感じることが出来るものがいくつかあります。

高校生の頃にめぐりあえなかったことが悔やまれてやまない、そんな風に思うドリルたちを紹介したいと思います。

↓第1回の記事はこちらから

sugasaijuken.hatenablog.com

 

 

第2回目の今回は、数学の計算ドリル

合格(うか)る確率+場合の数」 

 を紹介します。

 

 

「合格る確率+場合の数」

著者:広瀬 和之

ページ数:問題編255ページ+解答編78ページ(小冊子)+問題練習カード

価格:1,404円

単元:

stage1 原理原則編(テーマ数17)

stage2 典型手法編(テーマ数13)

stage3 入試実践編(テーマ数36)

stage4 実践融合問題編(テーマ数25)

stage5 超高難易度有名問題編(テーマ数9)

 

「合格る確率+場合の数」は、前回の「合格る計算」と同じ広瀬和之先生が執筆していらっしゃる参考書です。

以下、「確率」と述べる場合には「場合の数」も含むとします。

 

「合格る計算」シリーズを紹介した記事では、入試問題を解く際には

速く正確に計算する力が必要だといいました。

 

その力を鍛えようというコンセプトはこちらの参考書にも継承されているのですが

確率という単元は高校数学の中でもかなり特殊な単元で(理由は後述します)あるため、

より厳密には

正確に、そして速く計算する力

を鍛えるための参考書といえます。

 

確率はセンター試験では毎年数学①(数学Ⅰ・A)の選択問題として出題されますし

2次試験で毎年のように確率を出題する大学はたくさんありますので

確率という単元に集中的に取り組み、正確に計算できるようにしておくことには大きな意味があると思います。

 

「確率」という単元の特殊さ

広瀬先生も本書の冒頭で述べておられますが、「確率」「場合の数」という単元は

 

・基本事項は本当に易しい(さいころを1回振って1が出る確率は1/6など)のに途中から捉えどころが無くなり、どう計算すればよいか分からなくなる

・他の単元とほとんど関連していない(あったとしても「集合と論理」と「整数」くらいです)ため、他の単元の勉強を頑張っても確率問題を解く力は上がらない

・高校数学の中でも、考え方を予め知っておかないと解けない問題が特に多い単元である

・はじめに考え方を間違えてしまうと、すぐに0点になってしまう

 

などなど、この単元特有の性質が複数存在します。

そのうえ大学入試では頻出のため、特別に対策をする必要があるのです。

 

また、「確率」「場合の数」という単元は新課程に移行するに当たり内容が大きく変更された単元です。

旧課程時代にもこの単元は数学Aの範囲に存在していたのですが、当時は「期待値」という項目が教科書に掲載されており

これが確率の醍醐味のような内容であったため

旧課程の確率の入試問題といえば「最後に期待値を求める」といえるほどでした。

 

しかし、文科省のお偉いさん方は何を考えたか新課程からこの「期待値」の項目を削除してしまいました。

最後に期待値を求めさせておけば、それまでの計算が合っているか、事象を正しく把握しているかが丸分かりだったのに・・・(そして何より、「入試問題を作るのが簡単だったのに」)とがっかりした大学の先生もきっといらっしゃったと思います。

しかし、確率問題の人気が下がることは無く、むしろ以前より難しくなったうえで多くの大学で出題されるようになりました。

 

具体的には、事前に定めたルールに従ってゲーム(さいころを振る、箱から玉を取り出す、ボードゲームをする等)が行われており、

そこからその場で規則性を読み取って数式にあてはめ、

ある結果が得られる確率を求めるというものです。

 

新課程になってから確かに面白い問題は増えましたが、それと同時に規則性を見いだすのに時間がかかる問題も増えました。

対策をしないと、本当に大変な単元です。。。 

 

おすすめする理由

①「確率」「場合の数」という単元が特殊であり、個別に対策する必要がある

 

前述のように、他の単元から独立しており、新課程になって難易度が上がったうえに入試で狙われやすいため、正確に確率の計算ができるようにならなければなりません。

 

②とても理にかなったコンセプトのもとで執筆されている。

 

確率の問題は、

(1)問題文の内容が理解できる(文中でどんなことが行われているかが分かる)

(2)それを図や表にしたり、箇条書きにしたりして整理できる

(3)理解・整理したことを数式にする

(4)正しく計算する

というプロセスをたどって、ようやく正解にたどり着けます。

この過程のどこかで間違えてしまうと、その後の答えが全部狂ってしまいます。

 

このドリルでは、このプロセスが例題を通じて丁寧に解説されており、

特に(2)の過程に必要な図・表・箇条書きの説明が非常に詳しいです。

 

また、(3)や(4)の数式計算においても、ミスをなくすためのコツがたくさん紹介されています。

1つの事象についての数式でも、表現形式が複数存在することがあります。

そんなときに、どちらで立式したほうがより良いかということまで言及されているところが本当に素晴らしいです。

 

私のように発想力の乏しい受験生は特に、解ける問題は絶対に正解したい(計算ミスで失点したくない)です。

なのでこのドリルで正確に考えて計算する力を磨きました。

 

 

③1周するたびに効果を感じることが出来る

 

1周目は、計算は一応出来るけれど、どのような意味があってこの式を立てる必要が生じているのかがよく分かっていないような状況のもとで解きました。

 

確率と場合の数の相互関係や、数式の意味が正しく理解できるようになり

適当に勘で式を立てることがなくなりました。

結果、以前は進んで選択しなかった確率問題を、センター試験形式の演習の際に選択して解くようになり

高得点を取る可能性がぐっと上昇しました。

 

 

2周目は、1周目で理解にてこずったところを重視して解きました。

1度取り組んでいる内容ですが、冒頭から解きなおしをすると以前より流れが良く見えるようになり、

理解にてこずっていたところもあっさり理解できました。

また、1周目の頃にはあまり実感できていなかった「その考え方に基づいて立式することでどのような利点があるか」を実感できるようになりました。

 

私が受験する大学も、お察しの通りほぼ毎年二次試験で確率を出題する大学ですので

現在もこの問題集に取り組んでいます。

 

 

④強化したいレベルに合わせてstageを選び学習することが出来る

前から順番に解いていっても良いのですが、

 

今の私のように本番まで時間が無い場合や特定のレベルに合わせて確率の計算の特訓をしたい場合には

5つのstageの中から自分に必要なものを選んで解くことができます。

 

stage1は本当の基礎中の基礎、stage2~stage3はセンター試験~地方国公立二次試験、stage4は中堅~難関国公立二次試験、stage5は確率問題が難しい大学・東大などのレベルかなと感じました。

私の場合、必要なのはstage1~3とstage4の☆問題(stage4でも、地方国公立で出る可能性があるものには☆が付いています)ですので、その範囲に絞って取り組んでいます。

 

 この問題集のおかげで、今年のセンター試験の確率分野は満点、

現在では千葉大学熊本大学など私が受験する大学より難易度が高い大学の入試問題も解けるようになりました。

あと2週間、このドリルにお世話になるつもりです。

 

 ・確率は特殊な単元であるが、入試で頻出。得点を失わないように確率分野に特化した計算ドリルに取り組む

・確率の対策には「合格(うか)る確率+場合の数」がおすすめ

・繰り返し解くと、思考力や計算力がついてきていることをより実感できる