医学部再受験の闇、あつめました①【再受験を始める前に、本当によく考えてください】
はじめに
私には以前からすごく気になっているワードがあります。
医学部再受験についてググると出てくる検索候補の中の
「医学部再受験 闇」というワードです。
(このような検索結果が表示されます)
「医学部再受験」というあまり聞き慣れない言葉に興味がある方がこの項目にたどりついていると思いますが、
自分も医学部再受験をしてみようかなと考えている方がリスクを把握するために検索している可能性もあると思いましたので
自分の2年間の医学部再受験生活の中で見たり聞いたり体験したりした「闇」を学力面、精神面、社会的な面の3つ+私の再受験生活で一番しんどかった経験から考えてみようと思います。
書いているうちに長くなってしまったので、この「闇」シリーズはいくつかの記事に分けて公開することにしました。
①の今回は学力面の「闇」について書きます。
※このブログでは以前にかる~く「闇」について触れたことがあります。
今回はその時よりも少しきつめに「闇」について書かせていただきました。
この記事の構想を練っているときに猛烈に気分が悪くなり(心因性のものだと思います)、自分が当初予定していたレベルでは書けませんでした。なので結構オブラートに包んでいます。
もっと辛らつな「闇」をご覧になりたい方は、実際にググってください・・・
以前かる~く触れたときの記事↓
学力面の「闇」
①単純に医学部に合格するのが難しい
東大京大をはじめとする旧帝大、それに何校かを加えた難関大学、早慶上智など世の中で「入るのが難しい」といわれている大学はたくさんあります。
正直なところ、私は現役で旧帝大の入試に通ったときに「みてみろ!私は宮廷に受かったんだ!!」と調子に乗っていました(今思えば死ぬほど恥ずかしいです)。
圧倒的数弱(数学の学力が低いこと)ではありましたが、それでも自分の学力には自信がありました。
しかし、私は医学部再受験1年目に見事に地方国公立大学の医学部に落ちました。
1年間の全てを受験勉強に捧げたのに、前期も後期も落ちました。
成績開示をすると、合格最低点より100点以上低い点しか取れていませんでした。
その受験大学はしばしば2chで偏差値的な問題でけなされていましたが、医学部はとんでもなく難しかったです。
日本のどこを探しても、入るのが簡単な医学部はありません。
私大の医学部は受験していないのでここで言及はしませんが、
国公立大学の医学部医学科に合格するためには900点満点のセンター試験で少なくとも800点近い点数を取り、2次試験で大きなミスをせず、さらにほとんどの大学で行われる面接試験で自分の優秀さを演出しなければなりません。
センター試験の国語で120点を割ってしまった。
センター試験の合計点が760点に達しなかった。
二次試験で計算ミスをして、その大問の全ての点を失った。
面接で教授から論理の矛盾点を指摘されてしまった。
どれか1個でも当てはまってしまうと、かなりの確率でアウトです。
自慢とかそういうものではありません。医学部は誰にとっても合格するのが本当に難しいのです。
ただでも難しいのに、再受験生には面接で比較的厳しい質問が投げかけられます。
「医学部に進学した後にまた進路変更したりしないか?」「あなたよりも若い人を合格させたほうが大学側にメリットが生じるのではないか?」といった質問に対して
教授たちを納得させられる答えを即座に作成し、毅然とした態度で回答しなければいけません。
②学力が思うように伸びない
医学部再受験をされる方のほとんどは、高校時代に現行課程の内容の授業を受けていません。
現行課程は旧課程や旧旧課程と内容が大きく異なるため、まず新しく登場した分野を1から学ぶ必要があります。
また、医学部受験時には多くの科目の知識が必要です。自分が高校時代に履修しなかった科目が受験に必要なのであれば、これも1から勉強しなければなりません。
高校時代に習っていない範囲というのは本当に厄介で、しっかりと内容を理解するのに時間がかかり、それが定着するのに時間がかかり、自分の力でアウトプットできるようになるまでに時間がかかります。
わたしも数学の2次曲線で何度も経験しましたが、1ヶ月くらい勉強していないとすぐに抜けてしまい、また1から勉強というような状態になってしまいます。
未習範囲が多ければ多いほど勉強しては忘れ、勉強しては忘れ・・・ということを繰り返すため、自分が思うようなペースで学力が伸びていくことは期待できないと思います。
さらに、悲しい話ですが医学部再受験にも地頭の良さは大いに関係してきます。
どんなに頑張って勉強してもこれ以上はほぼ伸びないという「天井」の点数がどの受験生にもあり、その数字は一人ひとり異なります。
感触的な話をすると、センター試験には700点の壁、720点の壁、750点の壁、780点の壁、800点の壁、810点の壁があり、点数が高くなっていくにつれて越えるのが難しくなっていくように感じます。
受験の世界では、医学部を受験する1年前に700点の壁(本音は720点の壁)を越えていないと翌年の合格は厳しいと言われていますが、
毎年この700点の壁を越えられない医学部受験生が一定数おり、さらにその後の壁付近にもそれを越えられない受験生が一定数います。
特に、1科目でも70点以下の科目があると得意科目の点数でカバーしても780点の壁はなかなか越えられません。
もともとの基礎学力が低い受験生の中には、何年受験勉強を続けても780点の壁を越えられない方がいて、そういう方の「天井」は700点だったり760点だったりするわけです。
再受験生であるか純粋な浪人であるかに関係無く、「天井」以上の得点を期待して勉強を続けても学力を伸ばすのは難しいかな・・・ということです。
ここで追い討ちをかけるようですが、記憶力は加齢とともに低下していきます。
再受験生は自分の年齢に抗いながら学力を向上させ、18歳の若者たちに勝たなければなりません。現役生がノーマルモードでプレイしている中、再受験生は周回ごとに難易度が上がっていくハードモードをプレイしているようなものです。
学力は「やみくもに勉強さえしていれば伸びる」というものではありません。
これが医学部再受験や多浪の世界の闇を深くしているのだと思います。
③大学受験改革の波が押し寄せている
ニュースにもなりましたが、大学入試センター試験が2020年1月を持って廃止されることが決定しました。
その後実施されるテストでは、私たちが受けた教育では対応できないような英語のスピーキングなども採点されます。
また、今のところセンター試験廃止時に浪人が確定した方々への対応措置は発表されていません。
もし2020年冬の入試で失敗してしまったら・・・と考えると恐ろしいです。
まとめ
医学部再受験の「闇」は様々な側面が合わさって出来ているが、学力面について考えると
①医学部の入試を突破する難しさ
②未習範囲や個人の能力、年齢などが原因で学力が思うように伸びない
③センター試験廃止が迫っており、後が無い
の3つが挙げられる。
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