医学部再受験の闇、あつめました②【再受験を始める前に、本当によく考えてください】

 

 

はじめに 

この記事は、Googleで「医学部再受験」と検索すると表示される「闇」という関連ワードについて、医学部再受験生だった自分が経験をもとに考えるシリーズの2番目の記事です。

 

※この記事の構想を練っているときに猛烈に気分が悪くなり(心因性のものだと思います)、自分が当初予定していたレベルで「闇」を語ることができませんでした。なので結構オブラートに包んでいます。

もっと辛らつな「闇」をご覧になりたい方は、実際にググってください・・・

 

1番目の記事はこちら↓

sugasaijuken.hatenablog.com

 

 

 

精神面の「闇」 

①周りにいるのが、年下ばかり

いくら浪人が多いと言っても、医学部受験者の年齢は18歳(高校3年生)~20代前半に集中しています。一方で、医学部再受験生の多くは20代半ばから後半、そして30代です。

予備校に通えば自分よりも若い浪人生たちと一緒に勉強することになり、予備校講師や社員の中には自分より若い人がいたりして、さらに試験会場に行けば明らかに浮きます。

同年齢の多浪生は何も言われていなかったのに、私はセンター試験の会場に入るときに二日とも見張りの職員さんに「受験生の方ですか?」と止められてしまいました・・・

20代前半の私でさえ浮くのですから、もっと歳を重ねていらっしゃる方はなおさらのことだと思います。

 

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センター試験受けに来るのはこういう格好のやつらだけとは限らんのだぞ



話がそれてしまいましたが、周りに溶け込めないということはそれだけ話題にもなるということで、間違いなく若い受験生の話のネタにされます。

強い心持ちで受験が出来る方にとっては些細なことですが、少なくとも一度は「恥を忍んで受験」というマイナスな感情に襲われる方がほとんどだと思います。

また、日本人はどうしても年功序列型の考えを持っているので「現役生に点数で負けてしまった」「年下の受験生は受かったのに、自分はダメだった」という気持ちにもなります。

 

予備校で年下の受験生と仲良くなって、同世代の「あるある」が通じるのは自分との年齢差が3歳以内の人間なんだなと思うことが良くあります。4歳年下は生きている時代が違います。

ちなみに、私が6年間を共に過ごす医学部の同級生の中には2000年生まれ(早生まれの現役生は2000年生まれ)がいます。

私はこの子達の話題についていけるでしょうか・・・心配です笑。

医学部再受験をするということは、受かる前も受かった後も年下に囲まれるということなのです。

 

 

②ひたすら孤独

医学部再受験は、孤独との戦いです。特に宅浪(予備校に行かず、自宅で独学で受験勉強を進めること)はものすごく孤独だそうです。

朝起きて勉強する。

昼ご飯を食べるときに話す相手がいない。

午後も勉強する。

眠くなって周りを見渡しても、もくもくと勉強をしている受験生は見当たらない。

夕方になって親が帰宅する。

親がその日の出来事を話すことがあっても、自分には新しい話題が無い。

夜も勉強する。

意味が分からない箇所を質問する相手がいないので、自分で考えるしかない。

だらだらと夜更かしをしてしまう。

それで昼夜が逆転する。

 

こうした生活を送っていると、人と話すのが億劫になったり

話をしようとしても上手く言葉がでてこなかったりするそうです。

 

予備校に行っても再受験生は孤独です。

前述のように純粋な浪人生とは歳が離れていますし話が合わないため、自分から話しかけて仲良くなるということが起こりにくいのです。

浪人生たちも「あの人は年上だぞ」と気づいているので、遠慮して話しかけてきません。

私の場合、予備校に同い年の多浪生が多く在籍しており、その中には高校時代に予備校で一緒になった子が何人かいたためそこから輪が広がり、

たくさんの受験生と話したり仲良くなったりする機会がありました。

しかし、他の再受験生は皆単独行動で、とても孤独そうでした。

 

孤独であると、話をすることで自分のストレスを処理することが出来ないだけでなく

受験に必要な情報が回ってきません。

例えば、センター試験の出願期間は10日ほどしかなく事前に高校の卒業証明書を入手しておく必要があるとか、今年の受験生は弱気な傾向にあるから強気に出願しても望みがあるとか、自分の志望校にはこの参考書がぴったりだとか、そういう情報です。

日ごろからアンテナを張っていても、同じ受験生の友達がいる方々に比べ情報量が少なくなってしまいます。

孤独であることによって、多くの不利益を被ります。

 

②終わりが見えない医学部受験

ツイッターで医学部再受験生のアカウントを見てみると、よく「再来年のセンター試験を受験します。」 という文章がプロフィールに添えられています。

現時点での自分の実力を知り場慣れするために、センター試験は毎年受けるべきなのですが、金銭的な問題や学力の問題でそうできない再受験生がいます。

そのような方々は、センター試験を受験するまでに2年間勉強をします。

そこからセンター試験や二次試験に挑むのですが、センター試験受験までに2年かかる受験生が一発で医学部に合格するというのはレアケースで

ほとんどはもう1年、ということになります。

 

あとは、再受験1年目からセンター試験・二次試験を受けた方々や現役生、浪人生と同じです。

医師になるには医学部に行かなければならないため、医師になるという夢をかなえるために多くの受験生が浪人をして再度医学部入試にチャレンジします。

それでダメだったらもう1年、ということの繰り返しです。

医学部に合格するか、医師になるという夢を諦めるかのどちらかにたどり着かない限り、医学部受験のループは終わりません。

 

「医学部再受験には2年しか使わない、それでダメだったら諦める、というように予め決めておけば良いのだ」という考えをお持ちになる方もいらっしゃることと思います。

しかし、いざ受験勉強を始めるとそうはいかないのが現状です。

医学部に行かないと医師になれないから諦められないという理由もありますが、

何よりも「合格しなければ今まで費やした時間・金・労力が無駄になる」という気持ちが、自分自身を医学部受験から解放させてくれないのです。

 

特に「再来年のセンターを受けます」というような受験生だと、センター試験を受けるまでに2年、さらにもう1年浪人して計3年。3年も頑張ったのに結果が出なかったとき、あっさり受験から手を引けるのは少数だと思います。

 

 

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不合格→もう1年→不合格→もう1年・・・の無限ループ

 

④ついには、メンタルがぼろぼろに

ここまでで述べたように、医学部入試は難易度が高く、加えて医学部に行かないと医師になれないため2年以上医学部受験に挑む場合が多いです。

そして、その勉強生活には、2年以上浪人した者にしかわからないメンタルのきつさというものがついてきます。

 

医学部再受験の場合、最初の1年は未習範囲の学習で知らなかったことを多く学べるため比較的楽しく勉強をすることができます。また、勉強へのモチベーションも高いです。

しかし、2年目になると昨年度と同じことを繰り返す日々に飽きが生じ始めます。

このセンター試験の過去問は去年も解いたから答えを覚えている、この模試の問題は昔の問題をコピペしたものだぞと分かってしまう(模試の問題の使いまわしは結構頻繁に行われています)等、高校3年生や再受験1年目の方々は遭遇しないようなシチュエーションにたびたび出くわすようになり、危機感を覚えます。

 

また、合格しなければいけない、もっと点数を伸ばさなければいけないというようなプレッシャーに長い期間さらされているため、眠っても疲れがとれない、模試前になると胃がきりきりと痛む、髪の毛が大量に抜ける、急に涙が出て感情の制御ができなくなる等の症状が現れる受験生もいます。

医学部に合格したいという気持ちはあるけれども、それに自分の身体や勉強への情熱がついてこないという悩みをもつようになり、一生懸命勉強することができる期間と全く勉強が手につかない期間が交互にやってくるようになるという状態に陥る受験生もいます。

2年目以降はモチベーションの維持が本当に大変です。

 

自分では最大限の努力をしたのに、今年は合格できると思ったのに、あのきつい思いをもう1年間味わうのか・・・

そんな気持ちのまま何年も過ごせば、ゆっくりとそして確実に心は蝕まれていきます。

 

自分も2年目はモチベーションの維持が大変で(といっても1日8時間は寝ていましたし、ご飯はもりもり食べていましたし、ひどい身体症状は出ませんでした)、もしダメだったとしてもあと1年受験勉強を続けるとは考えられませんでした。

受験を通してメンタルが強くなる方もいるかもしれませんが、そういう方よりもメンタルが弱っている方のほうが多いように感じます。

 

 

まとめ

医学部再受験の「闇」は様々な側面が合わさって出来ているが、精神面について考えると

①年下の中で浮く辛さ

②孤独になりがちで様々な不利益を被る

③合格するか完全に諦めるまで受験が続く

④長期にわたりストレスにさらされることにより心身の健康を害する

の4つが挙げられる。

 

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