センター試験対策におすすめの問題集① 【生物】チェック&演習 生物

はじめに

 

国公立大学の医学部医学科に合格するためには、センター試験で高得点をとる必要があります。

 

医学部は他学部に比べて志願倍率がインフレしがちなため、倍率が一定数を超えると二段階選抜(いわゆる足切り)が行われることがあります。

足切りセンター試験の点数が低い志願者から順に不合格にしていくシステムなので、センター試験で満足に得点できず出願した大学で足切りが実施されると

それにひっかかってしまい、二次試験の受験資格さえ与えられないという事態になりかねません。

 

また、センター試験で高得点をとると二次試験でとらなければならない点数が少なく済みますし、

800/900点を超えると合格がほぼ確定する(といっても二次試験で手を抜くことは禁物です)医学部も何校か存在します。

センター試験で高得点をとり余裕をもって二次試験に挑むのが理想ですし、

センター試験の各科目には「出題のくせ」というものが存在するため、

しっかりとその「くせ」を掴み高得点につなげるための対策が必要です。

 

今回紹介するのは、センター試験生物の対策におすすめな

「チェック&演習 生物」です。

 

 「チェック&演習 生物」

著者:数研出版編集部

ページ数:本体127ページ+解答編71ページ

価格:中古品しか入手できないため不定

単元:

第1章 細胞と分子

第2章 代謝

第3章 遺伝情報の発現

第4章 生殖

第5章 発生

第6章 動物の反応と行動

第7章 植物の環境応答

第8章 生物群集と生態系

第9章 生物の進化と系統

第10章 実践演習(第1回)

第11章 実践演習(第2回)

 


センター試験生物の「出題のくせ」

 私が考えるセンター試験生物の「出題のくせ」は以下の3つです。

 

①見たことの無い実験について書かれた文を読み、実験結果からいえることをその場で考察する問題が多い

旧課程の「生物Ⅰ」のセンター試験では、暗記さえ出来ていれば正しい答えが導き出せる問題が多く出題されていました。

しかし、新課程になってそのような問題の数は減り

代わりに教科書には出てこないような実験について書かれた文章を読み、どのような論理が成り立つかをその場で考えて答えを導き出す問題の出題が増えました。

 

また、実験について書かれたリード文が長文になる傾向にあるため

リード文から必要な情報を効率よく取り出して理解する必要があります。

 

 

②正しい図やグラフを選ぶ問題が一定数出題される

実験結果が文章や表で示されているとき、これを棒グラフや折れ線グラフにするとどのようになるか、正しいものを選べと問われることがあります。

前述のように、新課程の生物のセンター試験では、見たことのない実験について出題されることが多くなったため

選ぶべき図やグラフも教科書に載っているお決まりの形のものとは限りません。

 

文章で理解したことを正しく図やグラフに変換できるかが問われます。

 

 

③全ての事柄について正しく理解できていないと正解できない問題が出題される

いくら知らない実験についての問題が増えたといっても、文章の空欄に正しい語句を挿入する問題や、正しい知識を組み合わせさえすれば正解にたどりつける問題も出題されます。

しかし、そのような問題はたいてい単一の知識さえあれば正解できるというものではなく、複数の項目について正しく理解していないと得点できないようになっています。

 

例えば空欄あ、い、うのそれぞれに入る可能性のある語句が2つずつある場合

3つの答えの組み合わせは2×2×2=8(通り)です。

するとそのすべての組み合わせが選択肢となっており、8択から1つを選ぶため

3つのうちの1つが分からなければ間違えてしまうのです。

 

そのため、細かな語句や知識を正しく理解し整理しておく必要があります。

 

おすすめする理由

①分かりやすい3部構成

「チェック&演習 生物」の各章は

・要点チェック(空欄に生物の用語を入れる穴埋め問題)

・探究コーナー(教科書に載っていない実験についてその場で考える問題)

・重要演習(典型問題、図やグラフが含まれる問題を中心に満遍なく)

の3部構成となっています。

 

要点チェックは生物の「出題のくせ」の③、

探究コーナーは①、重要演習は②に対応しており

生物のセンター試験のくせにあわせた対策ができます。

 

また、3種の問題の配置についても工夫がされており、

はじめに要点チェックで基本的事項や語句を復習して、

次に予備知識があまり要らない探究コーナーに取り組み、

最後に知識と思考力の両方を要する重要演習(3つの中で最も分量が多い)を解くという流れになっています。

合格後に見返してみて改めて、よく考えられているなと感じました。

 

 

②単元別に対策ができる

「チェック&演習 生物」では高校生物の範囲が9つの章に分けられて収録されており、

各章にはその単元で重要な知識を問う問題や典型問題などが満遍なく掲載されています。

ひとえに生物といっても、各単元には異なる特徴があり

生き物に関係する現象の理解のしやすさや覚えなければならない用語の量、理解しなければならない図表の数なども異なります。

そのため、どの単元も同じように勉強しているつもりでも

どうしても得意な単元・苦手な単元が出てきてしまいます。

 

普通のセンター試験の過去問集だと、複数の単元の問題が一つの大問に入れられていたり

出題される順番がバラバラだったりするため、単元別の対策がしづらいです。

しかし、「チェック&演習 生物」を使えば苦手な単元の問題をいちいち探す労力を省くことができます。

 

私は高校生の頃から発生が苦手だったため、模試やセンター試験本番の直前には必ず第5章を解くようにしていました。

 

 

③図やグラフが含まれる問題を多く扱っている

生物のセンター試験では、正しい図やグラフを選ぶ問題や問題文に添えられた図やグラフを正しく読み取る問題が出題されます。

正しい知識や正しい理解があれば正解にはたどりつけますが、短時間で正解できるようになるためには練習が必要なのでこの問題集で対策をしました。

 

また、一度「チェック&演習 生物」で見かけたときにしっかり内容を理解しておいた図やグラフが本番で出題されれば、考える時間を短縮した上で正解にたどり着くことができます。

 

 

入手方法について

この問題集は基本的には高校を通してのみ販売されているようです。

しかし、不要になったものがフリマアプリやオークションサイト、Amazonなどに出品されているので

そこで入手することができます。

 

購入される場合には必ず「チェック&演習 生物」を選んでください。

「チェック&演習 生物基礎」は異なる試験科目の問題集であり、

「チェック&演習 生物Ⅰ」は旧課程の問題集であるため

新課程の生物の試験対策には適しません。

 

 まとめ

センター試験の生物の3つの「出題のくせ」に慣れ、本番でスムーズに問題を解いていくためには「チェック&演習 生物」で対策をするのがおすすめ