医学部再受験を考えている方へ③ 自分の合格可能性を冷静に見積もる

 

はじめに

今回は、医学部再受験を決めるまでに、考えておくべき3つのことのうちの2つ目

自分が医学部に受かる可能性はどのくらいあるのか?

ということについて書きたいと思います。

 

 

再受験生が合格可能性を考えるときの手がかり

現役生や純粋な浪人生(高校卒業後浪人しかしていない方)の場合、高校での席次や模試の偏差値、前年度受験したセンター試験の点数等、合格の可能性を考える材料となるものがいくつかあります。

しかし大学受験から遠く離れていた再受験生には、それがありません。

 

他の記事でも書いたように、医学部再受験にはリスクが伴うわけですから、根拠の無い自信と勢いだけで再受験を決めてしまうのは危険です。

自分を冷静に評価するのは難しいかもしれませんが、受験は遊びではないのでしっかりと現実を見ながらシミュレーションをするべきだと考えます。

 

 

再受験生の場合、合格可能性を考える上で手がかりとなるのは

 

①最終学歴

(どのくらいのレベルの能力があるのか、既習範囲の広さ)

 

②新しく学ばないといけない分野の多さ

(未習範囲の広さ)

 

の2つだと思います。

 

 

①最終学歴について

最終学歴というのは、包まずに言えば「昔どの程度のレベルの大学に合格する力があったのか」ということです。

 

・前の大学に合格してから年数が経っている場合

(試験範囲が大きく変わっています)

 

・浪人を経て合格した場合

(一概には言えませんが、現役合格者に比べて残っている伸びしろが少ない可能性があります)

 

・私立大学の入試しか経験したことが無いが、国公立大医学部の受験を

考えている場合

(1科目に割ける勉強時間が国公立と私立では全く違います)

 

は、自分の能力をより謙虚に見積もったほうが良いかもしれません。

 

 

私の場合であれば、旧帝大に合格する力が(一応)高校3年生のときにあったということになりますが、当時の受験科目の中で医学部合格者と互角に戦えるレベルにあるのは、英語と倫理、政治・経済くらいでした。

特に英語は、センター試験が筆記198点、リスニング50点。2次試験は8割を超え、その年に医学部に主席合格した方と同じ点数でした。

大学でも英語には触れていたため、受験仕様に加工することができれば医学部受験にたちうちできるだろうと見積もりました。

 

既習範囲は、以前も受験で使ったものであれば

・国語(現代文・古文・漢文)

・数学1A・2B

・英語

・生物1

・倫理、政治・経済

 

ということになります。

現役時代も理系だった方に比べれば既習範囲は狭いですが、旧帝大ということで2次試験にも数学があった点や、大学で数学3の範囲の内容を習っていた点、高校で数学3、物理1、化学1も習っていた点などでは、他の文系出身の方より既習範囲が広いと言えます。

 

 

②新しく学ばないといけない内容の量について

新しく学ばないといけない内容というのは、医学部受験に必要な内容であるものの

自分はまだ学習したことがないものや、一度学習したもののすっぽり記憶から抜けてしまっており軽く復習する程度では絶対にダメなもののことです。

 

国公立難関大(理系)を現役のとき受験した方が新しく学ばないといけない内容というのは、新課程になって登場した内容くらいだと思います。

大学時代の専攻によっては大学受験の範囲を超えた知識をもっている場合も多く、

試験問題の理解やアプローチの仕方が他の受験生に比べすぐれている可能性があり、受験に有利に働きます。

 

私のような難関大文系だった方は、

・数学3

・昔センター試験で使わなかった理科の範囲全て

が未習範囲になります。

 

私は高校時代理系だったため、生物と化学に関しては高校で触れており100パーセント未習というわけではありませんでした。

しかし物理は物理2の範囲が未習でしたので、いくら高校生のときに波動が得意だったとはいえ、その点はきついだろうなと見積もりました。

 

難関大以外の国公立大学では受験に必要な範囲がわずかに狭くなるので、文系であれば2次試験の数学が未経験という方、理系であっても理科の一部の範囲や数学3が未習という方がいらっしゃいます。

 

さらに、私立大学の受験対策のみ(特にセンター対策をしなかった・重きを置かなかった)だったという方が国公立大学医学部医学科を受ける場合、元文系であれば数学と理科全て、元理系であれば社会と国語を未習範囲と扱ってよいと思います。

 

 

私立大学文系の受験経験のみの方にはぜひ知ってもらいたい

2次試験でも必要な理科や数学について、それぞれの科目がどの程度の重みを持つのか

いまいちピンと来ない場合は、書店へ行って

 

・数学(3冊すべて。青か黄色)

「チャート式基礎からの数学1・A―新課程」

 

「チャート式基礎からの数学2・B―新課程」

 

「チャート式基礎からの数学3―新課程」

 

・理科(以下の3冊の中から2冊)

「大森徹の最強講義117講 生物 〔生物基礎・生物〕」

  

「理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録」

 

「物理教室」

  

※地学は勉強したことがないため、割愛いたします

 

 

 

の厚さと、その中身を見てください。

参考書と問題集をそれぞれ用意して勉強していくスタイルもありますが、試験範囲を網羅している例としては、上記の参考書が挙げられると思います。

これらの量にひるんでいては、とても医学部受験はやっていけません。

 

これだけ量が多く、国語や社会と同じ要領(暗記重視)で太刀打ちすることが出来ない科目をこなすことができるのか、ということも元文系だった方は真剣に考える必要があると思います。

 

 

まとめ

・自分の過去の学力や、ブランクの程度から合格の可能性を見積もる必要がある

・新課程の参考書を実際に見てみることをおすすめいたします