【例題数付き】5年間お世話になった青チャートさまに捧ぐ記事

 

はじめに

青チャート、それは数学の二次試験に挑む受験生なら誰しも一度は「取り組むべきか」を考えたことのある問題集だと思います。

私は高校生のときに数学1・A、2・Bの2冊に、そして医学部再受験生になってから数学3の1冊にお世話になりました。

 

理系の受験生には青チャート派、黄色チャート派、一対一派、(やさしくない方の)やさ数派、フォーカスゴールド派、プラチカ派などさまざまなタイプがいますが、

私は再受験開始時から二次試験対策は青チャート一択でした。

 

高校3年間+再受験2年間の計5年間お世話になった青チャート。

その青チャート(数学3)が今日大切な友人のもとにお嫁に行くことになりました。

これが青チャートとの今生の別れだと思いますので、青チャートの例題数やおすすめの使い方を交えながら青チャートとの思い出を書いていきたいと思います。

※いつもの参考書紹介に比べて自己満要素が強いですが、お付き合いいただけますと幸いです。

 

 

 

 書名:チャート式基礎からの数学3
著者:チャート研究所
ページ数:問題編451ページ+解答編451ページ
単元:
第1章 複素数平面
(★×7, ★★×7, ★★★×10, ★★★★×8 計32題)
第2章 式と曲線 
(★×6, ★★×14, ★★★×13, ★★★★×7 計40題)
第3章 関数
(★×1, ★★×6, ★★★×5, ★★★★×2 計14題)
第4章 極限
(★×1, ★★×20, ★★★×17, ★★★★×2 計40題)
第5章 微分
(★×2, ★★×8, ★★★×7, ★★★★×3 計20題)
第6章 微分法の応用
(★×3, ★★×21, ★★★×16, ★★★★×7 計47題)
第7章 積分
(★×2, ★★×20, ★★★×10, ★★★★×12 計44題)
第8章 積分法の応用
(★×1, ★★×11, ★★★×13, ★★★★×8, ★★★★★×1 計34題)
《(例題の難易度)×(その難易度の例題の数)を表す》
 
★・・・計23題
★★・・・計107題
★★★・・・計91題
★★★★・・・計49題
★★★★★・・・計1題
全例題の合計・・・271題
 
 

青チャートとの出会い

私が青チャートと出会ったのは高校1年生の春でした。
私の通っていた高校では、希望する進路別にチャートの色が指定されていました。
理系の進路を目指す学生は青チャート
文系の進路を目指す学生は黄色チャート
芸術系の進路を目指す学生は白チャート
という感じです。
 
私はその後数学で挫折して文転することになるのですが、当時は理系志望でしたので青チャートを購入しました。
学校で一斉に注文して後日受け取る形式だったと思います。
公立中学ではうっすい教科書やうっすいワークブックしかやらなかったため、はじめ
「教材を受け取る日にはダンボールを運ぶんだよ」という先輩方の言葉の意味が分かりませんでした。
しかし、受取日になって校舎の外に出てみると、どの生徒も教材が飛び出たダンボールを運んでいました。
ダンボールの中身は、全て自分で使う教材たちです。
その中には今回の受験でもお世話になった「現代文キーワード読解」なども入っていたのですが、ひときわ幅を取っていたのが青チャートでした。
「現代文キーワード読解」についての紹介記事↓
 
なぜ自分が辞書並みの厚さの問題集を3冊も買わされたのか、当時は全く意味が分かりませんでしたが
今となっては、この3冊に書いてあることが分かっていないと難関大学や医学部には進学できないんだよなあということが理解できます。
 
 

青チャートの構成

青チャートには様々な種類があるのですが、私は問題編と解答編が分離できるタイプのオーソドックスな青チャートを使っていました。
各単元は以下のような内容で構成されています。
①基本事項のページ
・基本事項(その項目の問題を解く上で必要な定理や公式の紹介)
・解説(基本事項の解説)
 
②例題のページ
・基本例題(基本事項の知識を使って解く問題)、重要例題(応用力が必要で、基本例題より難しい問題)
・例題の指針(例題を解く上でポイントになる部分。ヒントとして活用可能)
・解答(ざっくりとした模範解答)
・練習(例題の類題)
 
③その他
・関連発展問題(一部の単元の章末手前にある。重要例題より応用力が必要な問題)
・コラム(ときどき現れる。読んでいてためになるまとめや、頭がこんがらがる知識などが紹介されている)
・EXERCISES(その項目の末にある問題。難しい。)
・総合演習(巻末にある問題)
・索引(その用語に関連するページにとべる)
 
 
この中で私が取り組んだのは、①と②(ただし練習を除く)だけです。
それでも医学部の入試に対応できるだけの力をつけることができました。
 
 

青チャートの使い方

問題集を買うと、どうしても「全部やりきらなければならない」という気持ちになりますが、そのような気持ちははじめに捨ててしまいます。
問題編と解答編が451ページずつあるので、それを全部やっていると志望大学の過去問やセンター試験対策の問題集に取り組む時間が無くなってしまうのです。
青チャートの最大の魅力は難易度判定がされてある例題たちが網羅されている点ですから、そこを活用すれば良いと私は考えています。
 
私は以下のように青チャートを使いました。
 
1.基本事項と解説に目を通す
基本事項では重要な公式や定理を確認し、その解説を読んで公式の導出方法や用語の確認、定理の意味を理解します。
 
2.指針を見ずに難易度が★または★★の例題を解いてみる
難易度が★または★★の例題は、基本事項の内容をしっかり理解していれば解けるはずなので、まずは何も見ずに解いてみます。
これで正解できればその問題の横に◎を、計算ミスをしたけれど解き方は合っていたときには○をつけます。
 
◎か○をつけることができたら、解答や解答の補足事項に目を通して
次の例題に進みます。
指針を見ないままだと例題が解けないというときには、3.に進みます。
 
3.指針を見て例題を解いてみる
私は例題のすぐ下に載っている指針をヒントとして活用していました。
指針にはその例題のポイントがどこであるのかが書いてあるので、その意味が分かれば例題が解けてしまうことが多いです。
指針を見た後に自力で例題が解けた場合には、問題の横に△を書いておきます。
指針を見ても例題が解けないというときには、4.に進みます。
 
4.基本事項を見たり、解答を見たりして手を動かしてみる
指針を見ても例題が解けないときには、
基本事項の内容が頭に入っていなかったり解き方が全く思い浮かばなかったりするため
自力で正解にたどり着くことが諦めた方が良いです。
一つの例題で手が止まったまま5分以上考え込んでしまうと時間のロスになるので、こういうときは潔く諦めて基本事項を読み直し、解答も読んでしまいます。
解答を読むときには、まず一部を読んで、その内容を理解し、実際に計算用紙にその解答を書いてみてもう一度納得し、次の部分を読む・・・というようなことを繰り返していきます。
そうして答えにたどり着いたら、問題の横に×を書きます。
 
 
これをまず一通り全ての章で行って、1周目が終了ということにしました。
2周目には、1周目で△や×が付いた問題+難易度が★★★の例題だけに取り組み、
3周目には、2周目で△や×が付いた問題+難易度が★★★★または★★★★★の例題だけに取り組み、
4週目には、3周目で△や×が付いた問題だけに取り組み・・・という風に繰り返していくことによって苦手な問題がなくなっていきます。
青チャートは網羅型の問題集なので、青チャートの例題で△や×がなくなれば
高校数学のかなりの範囲を習得した状態になれます。
 
 

青チャートの魅力

青チャートと比較されるような問題集をやったことが無いため
他の問題集に比べてここが優れているということは述べられないのですが、
青チャートの魅力は以下の3つだと私は思っています。
 
①難易度判定がされてある例題たちが網羅されている
数学を始めたての頃は、どの問題が簡単でどの問題が難しいのかということがあまりよく分かっていません、
そのため、基礎的な問題が出来なかったときに「これは難しかったから仕方が無い」と思い込んでしまったり、難しい問題が出来なかったときに必要以上に落ち込んでしまったりする可能性があります。
そのような誤解をなくし、さらに周数を重ねるごとに例題の難易度を上げていくという使い方をすることによって正しい難易度判定力をつけながら問題を解く力を積み上げていくことができます。
 
 
②辞書として活用できる
大学の過去問や予備校から出た課題を解こうとすると、その問題にどうアプローチしたら良いかがわからなかったり、記述したい定理や公式があやふやになったりすることがあります。
そのようなときに青チャートの関連項目のページを開いて読むと、問題を解く上でのヒントを得ることができます。
 
特に、予備校の先生に添削していただく機会のある問題で白紙解答をすると
先生からほとんどアドバイスをもらえず、自分が記述した内容の欠点を指摘していただくことができません。
青チャートを辞書として活用することによって、提出課題における白紙解答を減らし、もったいない思いをしないように心がけることができます。
 
 
③終わったときの達成感が半端じゃない
ページ数が非常に多い問題集ですので、★と★★の例題にしか取り組んでいなくても、
1周終わったときの達成感がかなり大きいです。
それ以降も、1周するごとに大きな達成感を味わうことができます。
 
達成感を何度も味わうことによって、受験勉強のモチベーションを高めたり、「自分はこれだけやったんだから入試問題も解ける」という自信につなげたりすることができるため、
1周目で全ての問題に取り組むのではなく、同じ難易度の例題に絞って取り組んで1周とするのがおすすめです。
 
 

青チャートから受けた恩恵

私は高校生のときも再受験時も前述の使い方で青チャートに取り組んできました。
その結果、現役時代は旧帝大に、そして今回は地方国公立大の医学部医学科に合格することが出来ました。
 
今回の入試で役に立ったのは数学3の青チャートです!といいたいところなのですが、実際に一番役に立ったのは高校時代に取り組んだ数学2・Bの青チャートの方でした。
私は高校生のときに数学的帰納法を苦手としていたので、高校2年生のときに青チャートの数学的帰納法の範囲を3周しました。
青チャートは網羅型の問題集ですので、オーソドックスな問題以外にも
計算が面倒くさいものや[1]でn=1とn=2の両方について述べないといけないもの等も取り扱っていました。
このときに培った数学的帰納法の問題を解く力が今回の二次試験の本番で発揮され、
計算が面倒でも諦めずに最後の答えにたどり着くことができたのです。
 
他の記事でも書いたのですが、私が受験した大学の二次試験の数学では傾向が大きく変わり、
数学3の範囲は少ししか出題されませんでした。
そうであったとしても、数学3の範囲の問題の答案がある程度書けたのは、数学3の青チャートの★や★★の例題でトレーニングを積んだからだと思います。
 
 
 

最後に

青チャートを使うことに対して反論がある方もいらっしゃるとは思いますが、
私は青チャートを工夫して活用することによって自分の目標を達成することができました。
他の問題集でも、その効果を最大化する使い方をすれば、医学部合格を手繰り寄せるだけの実力を養うことは可能だと思います。
ですが私は他の問題集を使ったことがないため、青チャートの効果を最大化する使い方を紹介いたしました。
 
私は今日で青チャートとはお別れですが、私が合計5年間青チャートにどのように取り組んできたかということはこの記事に十分残せたのではないかなと思います。
これから青チャートに取り組むという方にとってこの記事が参考になれば幸いです。
 
 

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我が青チャートさま、今度は友人の合格を手伝ってくれ!