【2018夏の終わりに③】医学部入試について現役医学生が考えたこと

 

はじめに

この記事は昨年の9月に執筆予定でしたが、なかなか書くことができませんでした。

ですが、テレビやニュースで「女性」や「入試」という話題になる度に

未だに「医学部入試における女子差別」が語られる現状を受け

執筆から1年経つ前に自分の思いの丈をまとめておきたいと考えました。

今更感はありますが、お時間のある方は読んでいただけますと嬉しいです。

 

一応3部作の3本目という体で下書きしてあった記事ですので、タイトルには【2018夏の終わりに】とつけています。

 

【2018夏の終わりに】シリーズ3本目の本記事では、

医学部入試における差別について私が考えたことを

自由に書いていきたいと思います。

 

*この記事には主観、私見が多く含まれております。

この記事を読んで気分を害される方がいらっしゃいましたら申し訳ございません(先にお詫び申し上げます)。

また、この記事に書いている内容の正確性等については責任を負うことができませんのでご了承ください。

 

 

医学部入試で生じうる差別

過去にも述べたことがありますが、医学部を受験する方々は様々なバックグラウンドをお持ちです。

学歴で分ければ、高校卒業予定の人、高校卒業後純粋に浪人をしている人、仮面浪人生、大学を中退した人、国内外の大学を卒業された人、院卒の人などがいます。

年齢は、早生まれの現役生なら17歳ですが、20代の受験生もまあまあいます。人数は少ないですが、40代や50代の受験生もいます。

その医学部がある土地との関係性で言えば、地元で生まれ育ち地元の高校に行った人、中学や高校や大学で外に出た人、親の仕事の都合などで昔一時的に住んだことがある人、住んだことはないけれどご先祖様のルーツがその土地にある人、何のゆかりも無い人などがいます。

医者家系かどうかということで言えば、代々続く医者家系の何代目という人、両親だけが医師の人、片親が医師である人、親戚に医師がいる人、医師はおろか医療関係の職業に就いている身内すらいない人がいます。

 性別は、男性である人も女性である人も、どちらでもないという人もいます。

 

他にも色々なわけ方があるとは思いますが、

私が思うに、医学部入試で差別が起こりうるのは

①学歴(持っている資格や社会人経験、浪人年数なども含む)

②年齢(これは純粋に)

③出身地(地元かどうか)

④医師の子供かどうか(知り合いの子供かどうか)

⑤性別

の5つでしょう。

 

想定される差別としては、

①の場合:難関大出身の人、社会人経験のある人、薬剤師や歯科医師などの国家資格を持っている人を優遇する。

純粋に多浪している人、中退・放校歴のある人、仮面浪人生を冷遇する。

 

②の場合:現役生や1浪生を優遇する。30代以降の受験生を冷遇する。

 

③の場合:地元出身の人、親戚がその土地に住んでいる人を優遇する。その土地とゆかりが無い人を冷遇する。

 

④の場合:医師の子供や試験官の知り合いの子供を優遇する。相対的にそうでない人が不利になる。

 

⑤の場合:特定の性別の人を優遇し、そうでない人を冷遇する。

という具合だと思います。

 

 

「差別」するのはアリか?ナシか?

私の意見をアリかナシかだけで言えば、「アリ」だと思います。

しかし、①~⑤の全てについてアリだと思っているわけではありませんし、アリだとしても無条件でアリだと思っているわけでもありません。

全体を通していえるのは、差別を設けるかは大学次第だと思う(大学の個性を出して良いと思う)けれど差別するならちゃんと明文化しなさいということです。

 

①~⑤のうち全てについて述べるとものすごく長くなりそうなので①についてだけ述べます。

 

入試における筆記試験というのは一種の「学力差別」ですから、学歴(学力差別のフィルターを通って得られたもの)と学力に相関があるのは自然なことです。

だから、再受験生で「医学部合格しました!」と仰っている方に高学歴の方が多いのは当然かなと思います。

要するに、高学歴だから優遇されたのではなく、高学歴になるに至るような学力を有しており、それを医学部入試にも活かしたのです。

この考えに沿うと、多浪している人というのは自身の学力が受験大学の合格ラインに達しなかった結果として多浪しているということになります。

某大学のように数字をいじって差別するのはナシですが、入試というものの性質上学力での差別が発生しており、学力と相関がある項目でも差別が行われているように感じてしまうことには注意が必要だと考えます。

 

さて、本題の差別のアリ・ナシですが、私は学歴差別はあってもいいし、なくてもいいと思います。

「薬学部や歯学部出身の人や、医療職に従事していた人は医学を学ぶ素地があるとみなせるので加点する」

「医療系の資格を有する人は、医師の資格がなくても医療の現場で活躍できるチャンスがあるとみなせるので加点しない」

「社会人経験のある人が入学すると医学生・医師の多様化につながるから加点する」

「もし同じ点数の現役生と浪人生がいた場合、前者は後者に比べ短期間で高い学力レベルに到達したといえる。医学部では、得た知識を短期間で自分のものにする力が不可欠であるので加点する」

「●年以上浪人を続けている人は、自己の学習を管理する能力に問題があると考えられるから、医学部の勉強について行けないおそれがある。ゆえに減点する」

「中退歴がある人は6年間まじめに医学の勉強を続けることが、放校歴がある人はルールを守って学生生活を送ることが難しいおそれがある。ゆえに減点する」

こんな感じの評価基準があって、加点方法(総合得点にプラスするのか、面接点の中に加味されるのかなど)の説明が公開されれば

受験生は自分に有利な大学を受験することができるし

大学側は自分たちが求める学生像に近い人をより多く合格させることが出来るようになるかもしれません。

 

反対に、「うちはあくまで学力勝負。学歴勝負ではない」というある種の潔さをもつのもありだなとも考えます。

 

前にも書きましたが、自分の学歴やバックグラウンドのせいで

医学部に落ちるかも知れないと考える時間は

ぜひ合格に向けた計画をたてることやそれを実行する時間に

使っていただきたいなと思います!

 

sugasaijuken.hatenablog.com

 

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